クルマを買うための諸費用には「法定費用」と「代行費用」の2つがある
クルマを購入するとき、多くの人がもっとも重要視すると思われるのが価格でしょう。
新車であれば各メーカーのホームページやディーラーでもらえるカタログに同封している価格表などで確認できますし、中古車であればほとんどの場合、店頭に並んでいる車両のフロントガラスに大きく価格が表示されていることがほとんど。
しかし、ここで表示されている価格はあくまで「車両本体価格」であり、実際に購入して乗り出そうとすると他にも費用が発生することをご存知でしょうか? それこそが「諸費用」というものなのです。
この諸費用とは読んで字のごとく、諸々の費用ということなのですが、大きく分けて「法定費用」と「代行費用」の2つに分けられます。
法定費用は全国どこで買っても共通の諸費用
法定費用とはクルマが車検を受けて(車検付きの車両であれば名義を変更して)ナンバーを取得し、公道で走行できるようにするために支払わなければならないもので、自動車税、環境性能割(自動車取得税の代わりに新たに導入された税)、自動車重量税、消費税、自賠責保険料、リサイクル料金などがそれに当たります。
これらは車種や購入月、新車・中古車などの違いによって金額が異なってくるものの、同じ車種・同じ購入月であれば、全国どこで購入しても金額が変わることはありません。税金ですから当然ですね。
「代行費用」は各店舗で独自に価格設定! その差をしっかりチェックしておこう
面倒くさがらずしっかりチェックしたい代行費用の明細
一方の代行費用に関しては、登録に必要な車庫証明の提出の代行や車検や名義変更を行う費用、購入したユーザーへ車両を納車するための陸送費用などが該当します。
また、中古車の場合では登録前に実施する点検の費用や、整備が必要になった場合の整備費用、納車前に車両をキレイに仕上げるための費用なども発生します。
これらは各店舗が独自に定めている金額となりますので、かかる金額も購入する場所によってまちまちとなります。面倒くさがらず細かくチェックしましょう。複数の店舗で見積もりを取得し比較をしてみると、意外な差が出てきたりします。
特に登録費用や納車費用は距離に応じて高くなる傾向がありますから、いくら車両本体価格が安い車両を見つけたからといって、自宅から何百キロも離れた中古車から購入すると、登録と陸送費用だけでその差額が埋まってしまうということも考えられます。
気をつけろ! 価格で釣って諸費用でたっぷり稼ごうとする業者はいまだにある
最近ではかなり数も減ってきていますが、中には安い車両本体価格でお客を釣っておいて、高額な諸費用で利益を出そうとする店舗もなくはないです。
代行費用や整備費用の内訳はしっかり確認し、納得した上で購入するようにしたいものです。
ネットオークションやフリマアプリなどの個人間売買でも諸費用は発生する
ちなみにこの諸費用というのは、当然ながらネットオークションやフリマサイトといった個人売買でも発生します。その際は書類の作成や登録の手続きなどもユーザーが自分で実施しなければなりません。
とはいえ、必要書類を自分で作成するのはなかなかに大変なもの。そんなときは代書屋と呼ばれる行政書士にお願いすれば、必要書類を作成してもらうことができます。
さらに最近では名義変更から登録までを代行してくれる「代行業者」なるものも存在しているため、個人売買で車両を購入した際は活用してみるのも一つの手段と言えるでしょう。
どちらにしても、自動車は土地や建物と同じく所有権が発生する財産のひとつ。登録にまつわる手続きはしっかりやらなければならないものですから、そこに費用がかかってしまうのもやむを得ないところですね。
[筆者:小鮒 康一]
March 28, 2021 at 09:47AM
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