車の最新技術[2021.03.29 UP]
国土交通省、レベル3の自動運行車両に初の認可
国土交通省は3月23日、無人自動運転移動サービスを実施している自動運行装置を備えた車両(レベル3)に対し、全国で初めて認可を行ったと発表した。
国土交通省は経済産業省と連携し、福井県永平寺町において、遠隔監視・操作型の自動運転車による無人自動運転移動サービスを実施している。今回、当該車両を製作している国立研究開発法人 産業技術総合研究所から申請のあった車両に対し、遠隔監視・操作型の自動運行装置を備えた車両に初めて認可を行ったもの。
この記事の目次
福井県永平寺町でのレベル2自動運転実証実験
国土交通省・経済産業省では、「2020年中に限定地域での無人自動運転移動サービスの実現」に向け、国立研究開発法人 産業技術総合研究所(以下、「産総研」)に委託し、福井県永平寺町において遠隔監視・操作型の自動運転車の実証実験を進めてきた。
この実証実験の成果を生かし、2020年12月22日に、福井県永平寺町が、まちづくり株式会社ZENコネクトに業務委託し、1名の遠隔監視・操作者が3台の自動運転車を同時に監視対応するレベル2自動運転移動サービスが実現していた。
レベル3車両は遠隔の運転手、保安要員が不要に
今年に入り、産総研においてセンサー類を改修・追加するなど車両の高度化が図られ、レベル3の車両として申請、3月5日に認可したもの。その後、公道走行のための準備を経て、25日より国内初の自動運行装置を備えた車両(レベル3)での本格運行を開始する。
今回レベル3にアップグレードすることで、3台の自動運転車が作動継続困難な場合を除き、遠隔にいる運転手は常時監視しなくてよくなり、運転負担が軽減されることになる。それに伴い、まちづくり株式会社ZENコネクトにおいて安全確保のため車内に乗車していた保安要員を外した運用となる。
なお、当該車両には地元福井県の図柄入りナンバープレートが装着されるという。
今後は、2022年度目処に限定地域での遠隔監視のみの自動運転移動サービスの実現に向け、引き続き技術開発・実証を実施する予定。
自動運行装置(名称:ZEN drive Pilot)の仕組み
道路に敷設した電磁誘導線上を追従しながら周辺の交通状況を監視するとともに、運転者に代わって運転操作を行い、最大速度12km/hで自動走行する。
この装置は、国土交通省が付与した特定条件(走行環境条件)の範囲内で作動が可能となり、作動後、走行環境条件を満たさなくなる場合や故障発生時等においては、警報を発し運行を停止する。
March 29, 2021 at 01:45PM
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