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2枚の大窓「湘南顔」、昭和の鉄道車両に大旋風(東洋経済オンライン) - Yahoo!ニュース

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 「湘南顔」という言葉をご存じだろうか?  鉄道ファン、それも年配の「鉄」の間で語られることの多い言葉だ。 【写真多数】元祖「湘南電車」国鉄80系や全国各地を走った「湘南顔」車両の数々  湘南顔とは、1950年に我が国初の中・長距離電車として登場した国鉄80系電車、通称“湘南電車”の独特の前面スタイルから生まれた呼び名だ。前面に2枚の大窓を並べたデザインは一世を風靡し、全国の鉄道に似たスタイルの車両が登場した。  オリジナルの登場はすでに70年ほど前だが、今も湘南顔の流れを汲む車両が各地を走っている。80系湘南電車の登場以来、日本の鉄道車両のデザインに大きな影響を与えた湘南顔の車両を各地に追い求めてみた。

■「湘南電車」のインパクト  湘南電車80系は、D51形蒸気機関車を手がけた国鉄の島秀雄工作局長(当時)の電車開発グループの手によって電化幹線用に造られた。通勤・通学輸送はもちろんのこと、中・長距離の準急列車などに使えるよう、長編成での運転を可能とした画期的な電車で、1958年までの8年間にマイナーチェンジを重ね合計652両が製造された。  登場後は普通列車はもちろん、伊豆方面への準急列車「あまぎ」「いでゆ」などにも投入され、当時の同区間の客車特急列車と同等の所要時間で高速運転し、高性能ぶりを発揮した。この電車の登場によって、従来の機関車牽引の客車列車は次々に姿を消し、多くの列車が電車化された。

 初期の車両の前面は窓が3枚だったが、2次車以降は上半分をやや斜めに傾けて2枚の大窓を配置するという、当時としては非常に斬新なデザインを採用した。この特徴的な前面形状は昭和30年代の日本の鉄道車両のデザインに大きな影響を与えることになった。  東海道線沿線の湘南のミカン畑をイメージしたというオレンジとグリーンのカラーは「湘南色」として話題になったが、その「顔」のインパクトも大きかった。  80系を手本とした前面2枚窓の形状は、大手・中小私鉄の車両はもちろん、電気機関車やディーゼル機関車、気動車、路面電車、さらには産業用鉄道の車両にまで採用された。これは日本の鉄道において特異なる流行デザインであり、これらの前面2枚窓の車両が「湘南顔」と呼ばれるようになった。80系電車は1980年代初頭までにすべて廃車となったが、そのデザインを踏襲した湘南顔車両はその後も生き続けている。

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September 13, 2020 at 03:14AM
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