今年5月、イギリスの主要鉄道路線で「都市間高速列車(IET)」として使われている日立製作所製車両に亀裂が見つかった。一時は当該車両を使った全列車が運休し、その衝撃は日英の鉄道関係者の間に大きく広がった。 【写真を見る】亀裂トラブルの発生直後、現地では運休(Cancelled)の列車が目立った 亀裂は「運行には問題ない」とされ、車両は通常運用に戻っているが、英国の鉄道安全規制当局は6月、徹底的な原因調査を実施すると発表した。トラブル発生から2カ月近くを経た今、亀裂問題の究明はどの程度進んでいるのだろうか。
■車体を持ち上げるための部分に亀裂 金属部品の亀裂トラブルを起こしたのは、日立が英国工場などで生産した「クラス800シリーズ」だ。同シリーズは800・801・802と複数のタイプがあり、2017年から納入が始まった5両もしくは9両編成あわせて全182編成が走っている。 これらの車両を運行しているのは現在4社。主要幹線の運行を担うグレート・ウェスタン鉄道(GWR)が計93編成と最も多く、次いでロンドン・ノースイースタン鉄道(LNER)が計65編成を運行。イングランド北部の中小都市を結ぶトランスペナイン・エクスプレスは19編成、ロンドンとイングランド北東部を結ぶハル・トレインズも5編成使用している。
問題が明るみに出るきっかけとなったのは、GWRの編成で発見された亀裂だった。日立が運営を受け持つブリストル近郊ストーク・ギフォードにある車両基地で5月8日、出場前の点検をしていたさなかに「リフティングポイント」の前面に亀裂が発見された。車両の定期点検などの際に、車体を持ち上げて台車から切り離す時に用いる部分だ。 ところが、同車両をめぐっては4月の段階で「ヨーダンパー(台車と車体をつないで揺れを抑える装置)ブラケットの取り付け部」にも亀裂が起きていたことが判明していた。
こうした背景から、鉄道安全規制当局である鉄道・道路規制庁(ORR)は6月7日、日立をはじめとする関係者と共に、「列車のジャッキプレート(リフティングポイントに当たる)とヨーダンパーブラケットの取り付け部に発生した亀裂の根本的な原因を究明する」との方針を打ち出した。 最初の亀裂発見から現在に至るまでの経緯は以下の通りだ。 【クラス800シリーズ 亀裂問題の経過】 4月11日:クラス800の定期検査でヨーダンパーの亀裂を発見
July 08, 2021 at 03:41AM
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日立製英国車両「亀裂発生」、その後どうなった 「乗客への情報提供」当局は評価、肝心の原因は?(東洋経済オンライン) - Yahoo!ニュース
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