世論の強い逆風に揺らめきながら、ともしびは東北を離れた。東京五輪の聖火リレーは21日、6県最後となる宮城県の日程を終えた。新型コロナウイルスの猛威がやまぬ中、大会開催に強い不安を持つ国民は多い。開幕まであと1カ月余りに迫った。(スポーツ部・安住健郎、剣持雄治)
コロナ禍、本番への不安ぬぐえず
週末から3日間にわたって行われた宮城県の聖火リレー。沿道には多くの人が詰め掛けた。
主役の走者の前に、パトカーに先導されたスポンサー車両がずらりと連なる。耳をつんざく音楽。「お祭り騒ぎですねえ」。車上のDJが調子外れの太い声を上げる。扇子やタオルなどグッズがばらまかれ、観衆が群がる様子は「密」そのもの。「まるでテーマパークのパレードだね」。走者の一人はあきれ顔だった。
五輪開催について、政府の感染症対策分科会の尾身茂会長らは18日、無観客が望ましいと提言した上で、こう指摘している。
「観客の収容方法等によっては、テレビ等で観戦する全国の人々にとって、『感染対策を緩めてもよい』という矛盾したメッセージになるリスクが発生する」
聖火リレーの狂騒は、尾身氏が言う「矛盾」の序章に見える。
5月の世論調査では約6割が五輪中止を求めた。それでも菅義偉首相は先進7カ国首脳会議(G7サミット)で開催へ強い決意を見せ、21日にあった国際オリンピック委員会(IOC)などとの5者協議で観衆の上限を1万人とすることに決めた。
コロナ禍の五輪。国民の健康を賭してまで開催されようとしているのに、聖火リレーは主役のランナーが置き去りにされていた。大会はいったい誰のためのものか。政治家の意地を貫くためでも、組織の利益追求の場でもないはずだ。
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June 22, 2021 at 04:00AM
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