2021年04月25日20時35分
JR西日本は福知山線脱線事故を起こした車両の保存を決めているが、一部の遺族らが求める一般公開は当面行わない方針だ。過去の重大事故では、風化を防ぐため公開に踏み切った例もあり、対応が分かれている。
JR西は昨年、事故車両全7両を保存する施設を2024年秋ごろ、大阪府吹田市に完成させる計画を示した。長谷川一明社長は今年4月、車両の公開について「(遺族の)さまざまな心情がある現状では難しく、もう少し時間が必要なのではないかと思っている」と説明した。
滋賀県信楽町(現甲賀市)で1991年、信楽高原鉄道(SKR)とJR西の列車が正面衝突した事故では、遺族の訴えにより、SKRが97年、保存した部品の一部を信楽駅で一般公開した。担当者は「利用客らに見てもらうことで事故の記憶の風化防止になり、(同社の)戒めにもなっている」と話した。
85年の日本航空ジャンボ機墜落事故では、日航が06年、機体の一部を東京・羽田の「安全啓発センター」で公開。日航によると、今年3月までに約26万8000人が見学した。担当者は「(事故の)負の遺産を展示する施設の先駆け。悲しみのどん底に陥った事故の経緯を振り返り忘れないことで、(同社の)反省の気持ちを継続できる」と述べた。
一方、05年に起きたJR東日本の羽越線脱線事故では事故車両の一部が、00年に起きた営団地下鉄(現東京メトロ)日比谷線脱線事故では現場の枕木などがそれぞれ保存され、安全教育に活用されているが、いずれも一般公開はされていない。
JR東は「遺族から事故を風化させないでほしいとの声もあり、社員教育のために車両を保存する」と説明。東京メトロは「同じ過ちを二度と繰り返さないため」としている。
関西大の安部誠治教授(交通政策論)は「社会全体の安全意識の向上につながるため一般公開が望ましいが、事故車両は被害者が亡くなった場所。遺族の反対があれば公開は難しいだろう」と話した。
April 25, 2021 at 06:35PM
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一般公開、分かれる対応 福知山線車両は当面見送り―脱線事故16年 - 時事通信ニュース
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