東京大学の学生が往年の名車を整備し、国際ラリー大会に挑戦するプロジェクトが、山梨県内のサーキットを活用して進められている。パリ・ダカールラリーで日本人初の総合優勝を成し遂げた北杜市在住の篠塚建次郎さん(73)が全面協力し、上位入賞を目指す。(鈴木経史)
10月8日、韮崎市の山あいにあるサーキットコースで、1979年式のダイハツ「シャレード」がうなりを上げて疾走していた。ハンドルを握るのは日本ラリー界の「レジェンド」篠塚さんだ。
「雪道でも対応できるようにサスペンションを調整してみよう」。篠塚さんからのアドバイスに、整備を担当する学生は真剣な表情でうなずいていた。
プロジェクトは2010年度に東大の授業として始まり、今年度で12年目を迎える。実際に車両を整備してラリーに出場することで、教室では体験できないもの作りの魅力を学ぶのがねらいだ。授業は自動車整備士を養成する「ホンダテクニカルカレッジ関東」と共同で行われ、東大からは今年度、大学3年から修士2年までの学生13人が参加している。
挑戦するのは来年1月にフランスなどで行われる「ラリー・モンテカルロ・ヒストリック」。旧式の市販車を整備・改造し、約1週間かけて約3000キロのコースを走破する。ドライバーの運転技術だけでなく、車両の耐久性を高めるために整備の腕が重要なカギを握る。
学生たちは1960~80年代の旧型車を一から組み立て直し、設計やメカニズムを学ぶ。製造が終了した部品や、ラリー用の改造に必要なシートや計器類などのパーツは全て自分たちで製作する。運営面では、スポンサーとの交渉やレースへのエントリー、車両輸送の手配まで全て学生が担う。これまで、トヨタ「カローラレビン」やホンダ「シビック」などでラリーに挑戦してきた。
指導する東大ダイレクタ(特任研究員兼非常勤講師)の草加浩平さん(67)は「ゼロからレーシングカーを作る時間はないが、旧型車を使えば学生が知恵を絞って工夫することができる」と話す。
篠塚さんは「ラリーの経験を若い学生の役に立てられるなら」と、草加さんの依頼に応え、14年度からドライバーを買って出ている。長距離を走るラリーでは、故障などのトラブルや天候の変化にその場で対応しなければならない。篠塚さんはレース前からチームに参加し、学生に修理などのアドバイスを送る。
チームで部品の設計や会計などを担当する修士2年の中野裕貴さん(24)は、「手を動かして車を作り、チームを運営することで、もの作りの全体像が見える。世界を知る篠塚さんから直接指導してもらえるのも大きい」と語る。
レースに向け、19日には車両が横浜市の大黒ふ頭に搬入された。船は29日に出航予定で、年明けにイタリアの港に到着する見込みだ。
篠塚さんは「ラリーは現場で臨機応変に対応することが面白い。不安はあるがチームを信用している」と背中を押す。
November 20, 2021 at 07:42PM
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東大生が旧車で挑む「モンテカルロ」、日本人初の「パリダカ」王者ドライバーとタッグ - 読売新聞
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